虎の門病院で、糖尿病をはじめ高血圧・脂質異常症（高コレステロール血症、高中性脂肪血症）・高尿酸血症（痛風）や肥満症などの生活習慣病の治療に長く携わった当院院長が診療いたします。
高尿酸血症とは
血液中の尿酸が過剰となっている状態のことを高尿酸血症とよびます。尿酸が過剰であること自体は無症状です。しかし、尿酸は水に溶けにくい性質があり、高尿酸血症の状態が続くと尿酸は結晶化していきます。そして体の関節内に溜まるようになると炎症を起こし、激痛を伴います(痛風発作)。特に足の親指の関節で起きやすい症状で、激痛のため歩行困難となる事もあります。高尿酸血症・痛風が長年にわたり十分に治療されない場合、発作は頻発し慢性化し、さらに複数の関節に出現するようになります。また、腎臓に蓄積することで、腎機能低下の原因となります。
高尿酸血症の診断
尿酸値が7.0 mg/dLを超えると高尿酸血症の診断となります。
高尿酸血症の成因には、尿酸産生が過剰となる産生過剰型と、尿酸の排泄が低下している排泄低下型、その両者の合併があります。
高尿酸血症の治療
治療の目的は、尿酸値を適切な範囲に保ち、痛風関節炎や腎機能低下を防いでいくことです。
目標とする尿酸値は、痛風発作歴や合併症の程度などにより異なります。当院では、現在の尿酸値や合併症の状態をふまえ、適切な食事療法、運動療法、必要に応じて薬物療法をご相談し、治療を進めて行きます。
高尿酸血症は生活習慣病の一つであり、高プリン食の制限、飲酒制限、肥満の改善などの食事療法・運動療法によって改善が期待できます。尿酸の値を観察しながら、無理のない食事療法、運動療法の実施で、尿酸値目標の達成を目指します。食事療法と運動療法を続けても、尿酸の管理が不十分な場合や、痛風関節炎を繰り返す場合は、薬物療法も検討いたします。
痛風の急性発作時は、しっかりと炎症を鎮める薬物で治療します。無症状の時期は、体内の尿酸合成を抑えたり、尿酸の排泄を促進する治療薬を慎重に調節します。生活習慣の改善により尿酸値が改善すれば、薬物療法の減量や中止が可能になる事もあります。薬物療法は漫然と継続するのではなく、常に減量・中止を目指して治療していきます。
